目に見える形の喜び -給料は現金派-
長いようで短かったバイトも先月で終わり、本日、最後の給料を受け取りにいってきた。
近頃はバイトといえども、チェーン店などでは特に、給料は講座に振り込むのが主流だ。
僕はいくつかバイトをしてきたが、なかにはお給料は手渡しによるものもあった。
私はこの現金手渡しのほうが嬉しい。振り込み式の2〜3倍は喜びが大きい。
もっとも効率的ではないし、大企業のように何千人といる会社は社員一人一人手渡しするわけにもいかない。
これは小さな規模だからできることなのかもしれない。
もう一度言うが、
現金手渡しはかなり嬉しい。
先月はサボりまくったので、わずか2万円ほどだったのだかそれでもかなり嬉しい。
現金手渡しのメリットを他にもある。
それは次の日のモチベーションアップにつながる。
日雇い日払いのバイトをしていたときがある。肉体労働できつかったし、先輩も厳しい人が多くてそのバイトをする度に
「今日で最後にしてやる!」
とバイト中はいつも辞めることを決心していた。
ところが、くたくたになったあとに事務所で現金を手渡しされるとこれまた何とも言えない気持ちになる。
たかが、7000円かもしれないがその場で生の現金を7000円も渡されると一気に金持ちになったかのような錯覚に陥る。
そして、次の瞬間には
「明日もよろしくお願いします!(キリッ)」
と宣言している自分がいるのである。
さらに給料を渡す側と、受け取る側の立場がはっきりする。僕はこれはいいことだと思う。
渡す側は
「よく働いてくれた。」
受け取る側は
「ありがとうございます!」
この主従関係は決して悪いものではないのだ。
そこには、双方に感謝の雰囲気が漂っている。
これらは振込では味わえない感覚である。もっとも騙されているのかもしれないが、それだけお金の力が強いということなのか、単に自分がバカなだけかはわからない。
さらにお金が嬉しい理由として、お金は対価であるのだ。現金でお金をもらうと、「自分は働いたのだ。」という事実が現金となり、札や小銭で客観視することができる。
通帳をみて、数字に喜ぶよりもこの達成感はでかいはず。
いつの日か、紙幣はなくなり、電子マネーの時代がくるのだろうか。
お金というただの紙切れにすぎないものかもしれないが、人を喜ばせる力、人を錯覚させる怖さを知った。